ブログ2011/01/07

仕事が終わっていよいよ北京に戻ることになりましたが、仕事がいつ終わるか分からなかったので帰りの切符は北京で買ってきませんでした。　現地の人間に頼んで手配してもらったのですが、どうしても帰りの切符が手に入りません。しかし捨てる神有れば拾う神の諺どうり、ちょうど北京に車で帰る友達の友達がありましたので友達から頼んでもらい北京まで乗せてもらうことになりました。
実は昨晩の宴会でその人（河北省の有名な実業家の親子）と一緒に飲んだので快く乗せてくれました。　　車はトヨタのハイランダーでまだ新車同様でした。車は他にも3,４台持っている金持ちです。　その車にも中国ではまだ珍しいトヨタのオペレーターが秘書の代わりをしてくれるオーナズデスクナビが付いていました。
四駆で新車なので高速道路になると１６０Ｋｍで飛ばすのは参りました。
通常はフフホトから北京までは便利な京臧高速道路を使うのですがよく渋滞するということで途中まで一般道の山道を通り、北京の手前で京臧高速道路に入ろうということになりました。　フフホトから山道で山西省の大同まで出てそれから河北省の張家口で高速道路に乗って残り１５０Ｋｍくらいを一気に走ろうという計画です。　途中はスムーズでこれなら早い時間に北京に到着するなと思った瞬間、突然渋滞にはまりました。どうも北京に入る手前でトラックと乗用車を分ける高速道路の分岐を間違えてトラック専用高速道に入ってしまったようです。　暫く渋滞にはまっていると後ろからバイクに乗ったおっちゃんが来て、窓ガラスをノックします。　（因みに中国の高速道路はバイク通行禁止です。どこから入ったのでしょうか？）　そのおっちゃん曰く「道を間違えているよ、おらは元に戻る道を知っているから案内してあげる」と、もちろんタダではありません、２００元だと。　うそだろう、ただ道を教えるだけで２００元（日本円にして３０００円だけど彼らにとっての価値は２万円くらいある）、高いから負けろと交渉が始まったらおっちゃんは「だったら１００元で行き方だけ教えるから勝手に行け」とのたまわった。
「金を払うのが嫌だったらこのまま渋滞に並べば明日の朝まで経っても北京に着かない」と脅す。　仕方が無いので（もともと同乗している人はとても金持ちなんだけれども、中国人は金持ちでも一旦は値切る）２００元払うから案内せよとなりました。
おっちゃん元気よく「着いて来い」とバイクに跨り路肩を逆走？　う、やっぱり普通の抜け道じゃなかった。　でもこちらの車も半端じゃない、警察用のサイレン常備でおまけに逆走しながら前から路肩を走ってくる車に向かって邪魔だからどけどけとスピーカーで怒鳴り散らす。　相手は警察関係だと勘違いして車を除けます。　思わずこんなん有り？信じられない。　でも中国ならＯＫか！　このままなんと８Ｋｍくらい路肩を逆走した。私は日本じゃ明日の朝刊に載るよなと思いながら初めての経験を楽しんでいた。　
逆走、８Ｋｍ地点で突然前のおっちゃんバイクが端にとまり、バンバントラックが通る高速道路の車線を中央分離帯の方へ走っていった。　すると中央分離帯のおそらく緊急車両用の移動ガードレール（長さが８Ｍくらいある）を一人で押し始めた。　道路の両方向を見て「今だ車をこちらに渡らせて反対車線に入れ」と、結構トラックがまだ走っているのに、トラックと正面衝突じゃ終わりだなと思いながらハラハラして乗っていました。
反対車線（これで逆走では無く順走になります）に入り直ぐのインターチェンジ（１Ｋｍくらい）で出て普通車専用の高速道路に入り直せと教えておっちゃんは２００元を握り締めバイクに跨りさっそうと次のお客を探しに戻って行きました。（これも逆走では無い）
まあ２００元で１０時間くらいの時間を買えたし、貴重な体験ができたので楽しかったのですが、あのおっちゃん一晩でどのくらい稼ぐの？　あのおっちゃん達（初め見たときは５～８台くらいのバイクの集団だった）の為に高速道路の表示をわざと分かり難くしていない？　　絶対に警察とグルでなければこんな事できないよなと思いながら大笑いしていました。　皆さんどうですかこの話、地獄の沙汰も金次第という話でした。
（夜だったので写真がありませんがこの話は事実です。）